「GoogleでもAIが答えを出すようになって、ホームページはもう見てもらえなくなるのでは」。AI検索が広がってから、ホームページを持つ個人事業主の方から、こうしたご不安を聞くことが増えました。

結論からお伝えすると、ホームページが見られなくなるわけではありません。変わってきているのは、検索からの来られ方です。

「調べものの検索で表示はされるのに、クリックが伸びにくい」という形の変化が、私が運用を担当しているサイトでも出始めています。

私は千葉市でホームページ制作と運用サポートをしていて、毎月、お客様のサイトの検索データを確認しています。この記事では、2026年9月に分析した5つのサイトの実際の数字と、海外の大手出版社のトップが出した「検索流入ゼロ前提」という方針をもとに、小さな会社がこれから見ておきたい数字をお伝えします。

運用5社の9月データ:減ったのではなく「形が変わった」

最初に、9月に月次分析をした5つのサイトの数字をご紹介します。お客様の名前は伏せ、業種だけを書いています。

業種9月に起きたこと
行政書士事務所検索からのクリックが8月の同じ期間(1〜22日)の286回から465回へ増加
犬用ケーキのお店検索結果に表示された回数は3か月続けて増加。一方でクリックは70回→66回→61回と少しずつ減少(各月1〜22日で比較)
ハウスクリーニング会社直近3か月の表示回数は5,360回で、4月時点(1,804回)の約3倍。クリックは136回→142回でほぼ横ばい
結婚相談所検索からのクリックは8月より約1割減。ただしAIの回答から来た訪問が7月2回→8月11回→9月31回と増え、サイト全体の訪問数は8月と同じ水準
ペットシッター検索結果の表示回数は8月より約2割減。クリックは8月とほぼ同じで、サイトへの訪問は約2割増加

※数字はGoogleサーチコンソール(検索結果での表示やクリックを確かめる無料ツール)と、Googleアナリティクス(サイトへの訪問を集計する無料ツール)の値です。期間は各サイトの分析日までの同じ日数でそろえています。

5つのうち、検索からのクリックがはっきり伸びたのは行政書士事務所の1社です。犬用ケーキのお店とハウスクリーニング会社は、表示回数は増えているのに、クリックが追いついていません。

表示は増えているのにクリックが増えない状態は、「お店の前を通る人は増えたのに、入ってくる人は同じ」に近い状態です。
毎月の数字を並べて初めて気づける変化でした。

結婚相談所のサイトでは、検索からの訪問が減った分を、ChatGPTなどAIの回答から来た訪問と、直接サイトを開いた訪問が埋めていました。お問い合わせページが見られた回数も、8月の47回から62回に増えています。

大手出版社のCEOが「検索流入ゼロ前提」で計画している

この変化は、小さな会社だけの話ではありません。Vogue(ヴォーグ)やGQなどの雑誌を出している大手出版社コンデナストのCEOが、「検索からの流入はゼロになる前提で事業計画を立てるように」と社内に指示したことが報じられました(Condé Nast CEO: Plan As If Search Traffic Will Be Zero・Search Engine Journal・2026年5月13日)。

記事によると、この会社は3年続けて「検索からの流入は減る」と予測して予算を立てていました。それでも毎年、実際の減り方は予測より大きかったそうです。

CEOは、本当にゼロになるとは考えていないとも話しています。全体の流入のうち、検索は一桁%程度に落ち着くという見立てです。

検索結果の画面そのものが変わった

CEOは、7〜8年前と今の検索結果を比べた資料を取締役会で見せたそうです。昔は広告が数件あり、その下に普通の検索結果が10件並んでいました。

今は、まずAIによる要約が出て、その下に通販のリンクが何段も並び、さらに広告が続きます。CEOは、普通の検索結果を見るには、ほぼ2ページ目まで行く必要があると話しています。

同じ記事では、業界の調査として、小規模メディアの検索からの流入が2年で60%減ったというChartbeat社のデータも紹介されています。

ただし、これはニュースや記事を読ませて稼ぐメディアの数字です。お問い合わせや予約をいただくことが目的の小さな会社に、そのまま当てはまるわけではありません。

表示は増えてもクリックが伸びにくい理由

Googleの検索結果には、「AIによる概要」という、AIが質問に答える欄が出るようになりました。「〇〇とは」「〇〇のやり方」のような調べものの検索では、この欄を読むだけで用事が済む方もいます。

そのため、ホームページが検索結果に表示されても、クリックせずに帰る方が出てきます。表示回数とクリック数の差が広がる理由の1つは、ここにあると考えています(推測を含みます)。

一方で、Googleは公式の説明で、AIによる概要が表示される検索結果ページからのクリックは「より質が高いことが確認されています」としています(AI 機能とウェブサイト・Google検索セントラル)。クリックの数は減っても、来てくださる方は、より具体的に検討している方が多くなる可能性があります。

「〇〇市 ハウスクリーニング」のように、地域とサービス名で探す方は、AIの要約を読むだけでは依頼先が決まりません。
調べものの記事と、依頼につながる記事では、影響の出方が違うと私は考えています。

小さな会社が「残る側」に入る3つのこと

コンデナストのCEOは、これから強いのは両端だと話しています。1つは大きな分野で権威のあるブランド、もう1つは熱心なファンがいる専門分野のブランドです。

いちばん苦しくなるのは、その真ん中です。分野での権威も、専門性も、読者との直接のつながりもないブランドだと話しています。

小さな会社が目指すのは、専門分野の側です。

1. 何の専門家なのかを1つに絞って書く

「何でもできます」という書き方は、AIにも人にも伝わりにくくなります。「〇〇市で、〇〇に困っている人のための〇〇」と、誰のどんな困りごとに強いのかを書くことが出発点です。

専門性を伝える書き方は、「EEATとは」ホームページに問い合わせが来る信頼の作り方でまとめています。

2. 自分にしか書けない一次情報を入れる

AIの要約は、どこにでも書いてある一般的な説明を得意とします。現場の写真、実際の事例、お客様の声、毎月の数字のように、自分にしか出せない情報は、AIの要約だけでは代わりがききません。

この記事で運用5社の数字を出しているのも、同じ考え方からです。AIの回答に名前を出してもらうための整え方は、LLMOとは?AIにお店や会社の名前を出してもらうホームページの作り方で詳しくお伝えしています。

3. 検索以外の入口とつながりを作る

コンデナストのCEOは、「読者との直接のつながり」を持たないブランドは苦戦すると話しています。この会社が検索の代わりに伸ばしているのは有料の購読で、購読の売上は前年に29%増えたそうです。

小さな会社にとっての直接のつながりは、公式LINEへの登録、メールマガジン、紹介、そして社名やお名前での検索(指名検索)です。ホームページを「検索で見つけてもらう場所」としてだけでなく、「つながりを作る入口」として設計しておくと、検索の変化に左右されにくくなります。

入口を1つに頼らない考え方は、「SNSだけで集客」は危ない?1つのプラットフォームに頼らない、資産になるWeb集客の作り方でもご紹介しています。

これから毎月見ておきたい4つの数字

検索からのクリック数だけを見ていると、変化に気づくのが遅れます。私が運用先の月次分析で並べて見ている数字は、次の4つです。

見る数字どこで見るか何が分かるか
表示回数とクリック数の差Googleサーチコンソール表示が増えてクリックが増えないときは、AIの要約で用事が済んでいる可能性がある
社名・お名前での検索Googleサーチコンソールの検索キーワードあなたを指名して探す人が増えているか
AIの回答や直接の訪問Googleアナリティクスの流入経路検索以外の入口から来ている人がどれくらいいるか
お問い合わせページの閲覧とお問い合わせの件数Googleアナリティクス・実際の受付件数訪問が最後の行動につながっているか

いちばん大切なのは、最後のお問い合わせの件数です。検索からのクリックが少し減っても、お問い合わせが続いていれば、ホームページは役目を果たしています。

お問い合わせの件数は、ホームページの中の数字だけでは分かりません。
電話やLINEでいただいた分も含めて、月に一度メモしておくと、ホームページの効果を判断しやすくなります。

ホームページの効果を実際にどう感じているかは、お客様との対談記事売上3倍の占い師と対談「ホームページの効果」は本当にあるのかでもお話ししています。

あなたの状況別:まず何から始めるか

調べもの型の記事が多い方は、事例とお客様の声を足す

「〇〇とは」のような解説記事が中心のサイトは、AIの要約の影響を受けやすい形です。記事の中に、実際の事例や写真、お客様の声を足していくと、AIの要約にはない情報が増えます。

地域のお客様が中心の方は、地域とサービス名のページを整える

地域のサービス業は、「地域名+サービス名」で探す方が依頼につながりやすい傾向があります。対応エリア・料金の目安・依頼の流れが1ページで分かるようにしておくことをおすすめします。

数字を見る時間がない方は、月1回の確認から

4つの数字を毎月自分で見るのは、慣れるまで手間がかかります。まずは月に1回、お問い合わせの件数だけでもメモしておくと、あとから振り返る材料になります。

まとめ

  • AI検索が広がっても、ホームページが見られなくなるわけではない。変わっているのは検索からの来られ方
  • 運用5社の9月データでは、「表示は増えてもクリックが追いつかない」サイトと、「AIの回答から来る訪問が増えた」サイトがあった
  • 大手出版社のCEOは「検索流入ゼロ前提」で計画し、強いのは大きな権威か専門分野の両端だと話している
  • 小さな会社が目指すのは専門分野の側。専門を絞る・一次情報を入れる・検索以外の入口を作る
  • 毎月見る数字は、表示とクリックの差・指名検索・AIや直接の訪問・お問い合わせの件数

私自身もパソコン初心者からスタートしました。
数字の見方は、毎月同じ表に並べるだけで少しずつ分かるようになります。

「自分のホームページの数字が、AI検索でどう変わっているのか知りたい」「何を見ればいいのか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。お問い合わせ・ご相談はこちらからどうぞ。

千葉市を拠点にホームページ制作をしているskymotherが、毎月の数字を一緒に確認しながら、あなたの事業に合ったホームページの育て方をお手伝いします。

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