ホームページを作ったものの、思うように問い合わせが来ない。文章を直したくても、何から手をつければよいのか分からない。個人事業主のお客様から、このようなご相談をいただくことがあります。
インターネットでホームページの文章の書き方を調べると、A/Bテスト(2つの案を比べる検証方法)や心理テクニックなど、さまざまな方法が見つかります。ただ、訪問数がまだ少ないホームページでは、検証に時間がかかる方法よりも、まず文章の基本を整えるほうが現実的です。
この記事では、千葉市でホームページ制作と運用をしている私が、個人事業主のホームページで最初に見直したい4つのポイントを、実例とともに紹介します。
最初に見直したいのは、この4か所です
ホームページの文章を、一度にすべて書き換える必要はありません。まずは、次の4か所を順に確認していきます。

会社の規模ではなく、今の訪問数と課題に合った直し方を選ぶのが近道です。
| 見直す場所 | 確認すること |
|---|---|
| 最初の画面 | 誰の、どんな悩みを解決するのか |
| サービス説明 | 機能だけでなく、使った後の変化が書かれているか |
| 問い合わせボタン | 押した後に何が起こるか分かるか |
| 実績・強み | 誇張ではなく、確認できる事実が書かれているか |
この記事では、この4か所を1つずつ見ていきます。
A/Bテストを無理に行う必要はありません
A/Bテストは、2つの文章やデザインを訪問者に分けて見せて、どちらの反応がよいかを比べる方法です。たとえば問い合わせボタンを「お問い合わせ」と「相談内容を送る」の2種類に分けて、押された割合を比べます。

数が集まるのを待つより、今できることから始めて大丈夫です。
感覚ではなく、実際の利用者の行動をもとに判断できるのが利点です。一方で、結果を判断するには一定のデータが必要になります。
A/Bテストで結果を正しく判断するには、月間の訪問数や、どれくらいの変化を見たいかに応じて、ある程度の期間が必要になります。1日に数人が訪れるホームページでは、問い合わせのように起きる回数が少ない行動を比べるまでに、長い時間がかかってしまいます。
ですから、訪問数がまだ少ないうちは、A/Bテストを無理に行う必要はありません。今すぐ取り組むことのリストからは、いったん外しておいて大丈夫です。
それよりも、お客様から実際に受けた質問や、問い合わせの前に迷っていた点を文章に反映するほうが、取り組みやすく、手ごたえも早く出ます。
言葉を見直したお客様の2つの事例
考え方だけではイメージしにくいので、私が運用のお手伝いをしているお客様の例を、2つ紹介します。

読む人の状況に言葉を合わせると、反応が少しずつ変わっていきます。
読者の状況に合わせて記事を作り、検索クリックが139件から264件へ
ある行政書士事務所では、ビザや在留資格に悩む方の状況に合わせて、コラムを1本ずつ作成してきました。とくに検索から読まれたのは、「日本で長期滞在したい」「親を日本へ呼び寄せたい」といった、具体的な悩みに答える記事です。
Googleサーチコンソール(検索結果での表示状況を確認できる仕組み)では、同じ時期どうしの比較で、2026年6月1〜23日の検索クリックが264件となり、5月1〜23日の139件から90%増えました。平均の掲載順位も、9.6位から8.0位へ変化しています。
これは、文章だけの効果を取り出して測った数字ではありません。検索での表示回数や、その分野を調べる人の増減も影響します。ただ、読む方の状況に合わせた記事を積み重ねた時期に、検索からの訪問が伸びた事例です。
ボタンを「無料鑑定のご案内」に変えた占いサロン
ある占いサロンでは、問い合わせボタンの言葉を「無料鑑定のご案内」に変更しました。その後、無料の相談を経て、有料の鑑定に進まれた方がいました。
比較テストを行った事例ではないため、ボタンの変更だけが理由とは断定できません。ただ、「問い合わせ」という抽象的な言葉よりも、押した後に受けられる案内を具体的に示したことで、最初の一歩を選びやすくなった可能性はあります。
正確な情報が、なぜ問い合わせにつながる信頼になるのかは、「EEATとは」ホームページに問い合わせが来る信頼の作り方にまとめています。
1.自己紹介より、お客様の悩みを先に示す
ホームページを作ると、「創業何年」「実績何件」といった自己紹介から書きたくなります。実績は信頼を判断する大切な情報ですが、最初にそれだけを並べても、訪問した方は自分に関係のあるサービスかどうか判断できません。
最初の画面では、まず次の3つを短く示します。
- 誰のためのサービスか
- どんな悩みに対応するのか
- 使うと何が変わるのか
そして、その近くに実績や資格を添えます。こうすると、「自分に合っていそう」と「信頼できそう」の両方を伝えられます。
たとえば「ホームページ制作を承ります」だけでなく、「千葉市近郊で、Web担当者がいない個人事業主・中小企業のホームページ制作と更新を支援します」と書くと、対象になる方と支援の内容が具体的になります。
2.機能ではなく、使った後の変化まで書く
サービスの説明では、提供する機能だけを書いてしまうことがあります。たとえば「WordPress(ホームページを管理する仕組み)で制作します」だけでは、専門知識のないお客様には、その価値が伝わりません。
「お知らせや営業時間など、あらかじめ決めた範囲をご自身で更新できます。そのため、軽微な修正のたびに制作会社へ依頼する手間を減らせます」と書くと、使った後の変化が伝わります。
ただし、「修正費用は一切かかりません」のように、契約の内容によって変わることは、言い切らないように気をつけます。実際にできる範囲に合わせて書くと、あとでお客様との食い違いを防げます。
3.問い合わせボタンには、押した後の行動を書く
「送信」「お問い合わせ」といったボタンは、まわりの文章によっては、押した後の流れが分かりにくいことがあります。

ボタンは「押してもらう言葉」より「押した後が分かる言葉」に。
ボタンには、選んだ後に起こる行動を具体的に示すのがおすすめです。動作が分かる短い言葉にすると、押す方が安心できます。
ボタンの言葉は、リンク先に合わせて選びます。
- 問い合わせフォームへ進む場合:相談内容を送る
- 日程予約へ進む場合:30分相談を予約する
- 料金ページへ進む場合:料金と制作内容を見る
- 実際に無料相談を提供している場合:無料相談を申し込む
ボタンの近くに補足を入れるときも、実際の運用と一致する情報だけを書きます。「2営業日以内に返信します」「相談だけでも構いません」など、事実として守れる内容を選びます。
4.強い言葉より、確認できる事実を書く
「絶対に結果が出る」「どんな業種にも対応できます」と書くと、サービスを魅力的に見せられるように感じるかもしれません。けれど、根拠のない強い表現は、かえって信頼を損なうことがあります。

強い言葉を使わないことより、その言葉を事実で説明できることが大切です。
宣伝のための強い表現を控えて、明確で誠実な文章を書くほうが、結果として信頼につながります。
また、商品やサービスを実際よりよく見せすぎる表現は、消費者庁が説明する景品表示法で問題になることもあります。とくに美容や医療にかかわる分野では、広告に別のルールが定められている場合もあるので、気をつけたいところです。
「今だけ」という言葉も、実際に期限があるなら使えます。その場合は「7月31日まで」など、期限と条件を具体的に書きます。
「すべての業種に対応できます」と広く見せるよりも、「千葉市近郊で、Web担当者がいない個人事業主・中小企業を支援しています」と、得意な相手を具体的にするほうが、読んだ方の判断材料になります。
煽らずに選ばれる考え方は、世界的マーケターに学ぶ「売り込まない」ホームページ集客6つのコツでも紹介しています。
最初は2か所だけ直してみてください
一度にすべての文章を直そうとすると、途中で手が止まりやすくなります。まずは、最初の画面と問い合わせボタンの2か所を確認します。
最初の画面には、次の形で一文を作ります。
「〇〇に悩む方へ。△△によって、□□できる状態を目指します」
問い合わせボタンは、リンク先で実際に行うことに合わせて書き換えます。無料ではないサービスに「無料相談」と書くような、事実と異なる表現は使いません。
まとめ
ホームページの文章を見直すときは、次のことを確認します。
- 自己紹介だけで始めず、お客様の悩みと提供する価値を先に示す
- サービスの機能だけでなく、使った後の変化まで書く
- 問い合わせボタンには、押した後の行動を書く
- 強い言葉ではなく、確認できる事実を書く
- A/Bテストは会社の規模ではなく、十分なデータが集まるかで判断する
- 文章だけの効果を測っていない事例では、因果関係を言い切らない
言葉は、公開した後でも見直せます。まずは最初の画面か問い合わせボタンのどちらか1つを、実際のお客様の目線で読み返してみてください。
ホームページの文章が自分目線になっていないか、どこから直せばよいか迷ったときは、お気軽にご相談ください。千葉市を拠点にホームページ制作をしているskymotherが、事業の強みとお客様に伝わる言葉を、一緒に整理します。


