「AIを仕事に使いたいけれど、毎回同じ説明をするのが面倒で、結局チャットで短い質問をするだけになっている」。ObsidianとClaude Codeという2つの道具の組み合わせは、この状態を変えてくれます。
私は千葉市でホームページ制作と運用サポートをしていて、2026年の春からこの組み合わせで仕事をしています。今では朝の段取りから、ブログの下書き、打ち合わせの議事録、月末の経理まで、1日の仕事の多くをこの仕組みの中で進めています。
この記事では、2つの道具が何をするものか、AIが「毎回忘れる」問題をどう直したか、実際に私が任せている仕事、そしてうまくいかなかったことまで順番にお伝えします。
プログラミングの知識はいりません。私が任せているのは、コードではなく文章のファイルの読み書きです。
Obsidianは「パソコンの中のメモ帳」、Claude Codeは「そのメモを読み書きするAI」
まず、2つの道具の役割をはっきりさせます。ここが分かると、あとの話がすべてつながります。
Obsidian(オブシディアン)=メモをためる場所
Obsidianは、パソコンの中にメモをためていく無料のアプリです。公式の案内では、個人でも商用でも無料で使えて、アカウント登録も不要とされています(License overview・Obsidian公式)。
大きな特徴は、メモがインターネット上ではなく自分のパソコンの中に保存されることです。しかも中身は「ただの文字ファイル」なので、Obsidianがなくなっても、メモ帳アプリでそのまま開けます。
私はこの中に、お客様ごとのフォルダ、自分のブログの原稿、打ち合わせの議事録、経理のメモをすべて入れています。
Claude Code(クロード コード)=そのメモを読んで、書いて、作業するAI
Claude Codeは、Anthropic社のAI「Claude」を、パソコンの中のファイルに直接さわらせるための道具です。公式の説明では、ファイルを読み取り、編集し、コマンドを実行するツールとされていて、ターミナルのほかデスクトップアプリやブラウザでも使えます(概要・Claude Code公式ドキュメント)。
ふつうのチャットのAIとの違いは、「文章を返してくれる」で終わらないことです。私のObsidianのフォルダを開いて、必要なファイルを読み、下書きを書いて保存し、記録用の台帳まで更新してくれます。
もともとはプログラマー向けの道具です。ただ、私の使い方は、コードではなく「文章のファイル」を読み書きさせることが中心です。
2つをつなぐと「AIが自分のことを知っている状態」で始まる
チャットのAIは、会話を閉じると中身を忘れます。だから毎回「私は千葉でホームページ制作をしていて、お客様は個人事業主で」と説明し直すことになります。
Obsidianの中にその説明を書いておき、Claude Codeにそのフォルダを開かせると、会話の最初から私のことを知っている状態で始まります。説明の時間がまるごと消えて、いきなり本題に入れます。

Obsidianは引き出し、Claude Codeはその引き出しを開けて仕事をする助手です。
AIが毎回「初対面」になる問題は、3つのファイルで解決した
「フォルダを開かせれば知っている状態になる」と書きましたが、実際には3種類のファイルを使い分けています。この3つがそろってから、AIとのやり取りが安定しました。
1つ目:CLAUDE.md=変わらないルールを書く説明書
CLAUDE.md(クロード エムディー)は、Claude Codeが作業を始める前に必ず読むファイルです。フォルダの一番上に置いておくと、毎回自動で読んでくれます。
私のCLAUDE.mdには、たとえば次のようなことが書いてあります。
- 出力は必ず日本語にする
- 「〜んです」「〜ですね」のような口語の言い回しは使わない(詳しいルールは別ファイルを読む)
- お客様の作業をするときは、まずそのお客様のフォルダにある設定ファイルを読む
- 確認していないことを、断定した形で答えない
- ファイルを削除する前に、対象と件数を私に見せて確認を取る
新しく入ったスタッフさんに初日に渡す「お店のルール」と同じです。一度書けば、毎回言わなくても守ってくれます。
2つ目:司令塔ファイル=今の状態を書くダッシュボード
ルールは変わりませんが、「今どの案件が、誰の返事待ちか」は毎日変わります。これをCLAUDE.mdに書くと、すぐ古くなります。
そこで「司令塔」と名づけた別のファイルを1つ作り、案件ごとに1行だけ、今の状態と次にやることを書いています。作業が終わるたびに、Claude Codeがこのファイルを書き換えます。
翌朝、私は司令塔を見るだけで、昨日までの続きが分かります。AIも同じファイルを読むので、「あの件どうなってたっけ」を人にもAIにも聞かなくてよくなりました。
3つ目:メモリ=AIが自分で覚えた注意点
Claude Codeには、私からの指摘を短いメモとして保存しておく仕組みがあります。私が「その書き方は使わないで」「曜日は必ずカレンダーで確かめて」と伝えると、それが1件ずつ残ります。
たとえば、私のメモリには「日付に曜日を添える前に、必ずカレンダーで照合する」という1行があります。以前、曜日を間違えて予定を書いたことがあり、そのときの指摘がそのまま残っています。
この3つは役割が違います。CLAUDE.mdは変わらないルール、司令塔は今の状態、メモリは失敗から学んだ注意点です。

ルール・今の状態・注意点。
この3つを分けてから、AIの返事が急に安定しました。
私が毎日Claude Codeに頼んでいる7つの仕事
ここからは、実際に私が任せている仕事です。どれも「文章のファイルを読んで、文章のファイルを書く」の組み合わせでできています。
1. 朝の段取り
朝いちばんに「今日の予定は?」と聞きます。Claude Codeは、私の週間予定のファイルと司令塔ファイルの両方を読んで、今日の打ち合わせと、返事待ちの案件を並べて答えます。
どちらか片方だけ読むと抜けが出るので、「聞かれたら必ず両方読む」とCLAUDE.mdに書いてあります。
2. ブログ・コラムの下書きと、公開前のチェック
お客様のコラムや、この記事のような自分のブログの下書きを書いてもらいます。書く前に、表現のルールと、そのお客様の設定ファイルを読ませます。
書き終わったら、公開前のチェックリストで自己検査をさせています。文字数、使ってはいけない言い回し、リンク先が実際に開くかどうかを、AIが1つずつ確かめて、○×の一覧を私に見せます。
「書いた記憶」で○を付けないように、○には本文の該当箇所の引用を添えさせています。ここまでやって、ようやく私のチェックが「確認」で済むようになりました。
3. SNS投稿の一括作成
公開済みのブログ記事2本から、Instagramのフィード投稿、note、アメブロの原稿をまとめて作ってもらいます。記事1本を2つの切り口に分けて、合計4セットです。
Instagramは記事の単純な分割にしない、noteとアメブロは同じ文章を使い回さない、といった決まりも、あらかじめファイルに書いてあります。
4. 打ち合わせの文字起こしから議事録を作る
お客様との打ち合わせや、ホームページの現場作業の録音を文字に起こしたものを読ませて、議事録にまとめてもらいます。3時間分の文字起こしでも、決まったこと、宿題、確認が取れていないことに分けて整理してくれます。
聞き取れなかった人名は「未確認」と印を付けさせます。ここで勝手に埋めさせると、あとで困ります。
5. 月ごとのホームページ分析と、報告の要点
運用サポートをしているお客様には、毎月、検索データとアクセスデータを見て状況をお伝えしています。Claude Codeには、前月との比較と、運用開始からの推移の両方を出してもらいます。
そのうえで、私が報告動画で話すポイントを箇条書きにしてもらい、翌月に書くコラムのキーワード案まで出します。私の判断は「そのキーワードでいくか」の1点だけになりました。
6. 経理の下ごしらえ
月初には、レシートの写真を読み取って、会計ソフトに取り込める形の一覧にしてもらいます。「この支出は経費になる?」という質問には、国税庁の公開情報を根拠にして答えさせています。
月末の請求書は、会計ソフトの画面を操作して前月分を複製し、件名と期日を入れたところで止めてもらいます。保存と送付は、必ず私が自分でします。
7. 作業の記録
作業が終わるたびに、司令塔ファイルと「やったことログ」に1行ずつ追記してもらいます。週の終わりに、このログから週報を作ります。
記録を残すのが一番続かない作業でしたが、AIに任せてから途切れなくなりました。
番外:子どもの定期テストから、毎朝のプリントを作った
仕事以外では、子どもの勉強にも使いました。中学生の子の定期テストが返ってきたとき、4教科の問題用紙と模範解答をスマホで撮って、その写真をそのまま読み込ませました。
頼んだのは「このテストの範囲で、1日10分でできるプリントを毎日1枚作って」です。AIは写真を読んで、理科・国語・数学・英語それぞれ14枚、合わせて56枚のプリントを、問題のページと解答のページに分けて作りました。
14枚目はまとめのテストで、間違えた問題があれば何枚目に戻ればよいかが分かる作りになっています。印刷用のPDFにまとめるところまで、そのままAIが進めました。
小学生の子には、漢字と国語の毎朝プリントを2週間分作ってもらいました。仕事の書類と同じで、写真や文字のファイルにして渡せば、AIはそれを読んで手伝ってくれます。

共通するのは「AIが書いて、私が読んで決める」の形です。
決める役だけは手放していません。
うまくいかなかったことも書いておきます
便利な話だけ書くと、実際より楽に見えます。ここは正直に書きます。
確認していないことを言い切った
お客様のサイトの引っ越しに関わる作業で、Claude Codeが手順の順番や期限を、確かめないまま断定して答えたことがありました。私がそのまま信じていたら、お客様に間違った案内をするところでした。
この出来事のあと、CLAUDE.mdに「確認していないことを断定形で答えない。未確認なら未確認と書く」というルールを最上位に足しました。今は、根拠のない話には「推測」「未確認」と印が付いて返ってきます。
ルールを書いただけでは守られませんでした
「1段落は2文まで」「リンクの文字はリンク先の記事タイトルをそのまま使う」といったルールは、本文に書いておくだけでは何度も破られました。
直ったのは、ルールをチェックリストの項目に変えて、作業の最後に1つずつ○×を付けさせるようにしてからです。AIに限らず、人でも同じだと感じています。
削除だけは、必ず私が確認する
Claude Codeはファイルを消すこともできます。だから、削除の前には対象と件数を私に見せて確認を取ること、お客様のフォルダをまとめて消す操作はしないことを、CLAUDE.mdに書いています。
パスワードを保管しているフォルダは、通常の作業では読まない、動かさない、要約しないというルールも入れています。便利さと同じだけ、止める仕組みが要ります。

失敗のたびにルールが1行増えます。
その積み重ねが、私専用のAIに育っていきます。
費用と、最初の1週間でやること
費用
Obsidianは無料です。公式の料金ページでも「制限なしで無料、登録不要」とされています(Pricing・Obsidian公式)。
Claude Codeは、Claudeの有料プランが必要です。公式の料金ページでは、Proプラン(2026年9月26日時点で月払い20ドル)からClaude Codeが使えると案内されています(Pricing・Claude公式)。
料金や内容は変わることがあるので、始める前に公式ページで確かめてください。
最初の1週間でやること3つ
最初から私のような仕組みを作る必要はありません。私も、最初はメモをためるだけでした。
- Obsidianを入れて、フォルダ(保管庫)を1つ作る。まずは自分のプロフィール、仕事内容、お客様像を1枚のメモに書く
- そのフォルダの一番上に「CLAUDE.md」という名前のファイルを作り、「日本語で答える」「専門用語を使わない」など、AIに毎回守ってほしいことを5行ほど書く
- Claude Codeでそのフォルダを開き、「このフォルダに何があるか教えて」と聞いてみる。AIが自分のメモを読んで答える、を一度体験する
この3つができたら、次は「先週の打ち合わせメモから、やることを書き出して」のように、自分の文章を材料にした頼み方に進んでみてください。
AIを仕事に取り入れる考え方そのものは、【2026年版】個人事業主こそ生成AIを使うべき!明日から仕事が変わる活用事例7選にまとめています。AIで書いたブログが検索に出ない原因は、プロが教える「AIブログ」の正解|検索されない5つの原因と対策で扱いました。

最初の1枚は「自分の紹介文」で十分です。
AIに渡す材料は、そこから増えていきます。
まとめ
- Obsidianはパソコンの中にメモをためる無料アプリ、Claude Codeはそのメモを読み書きして作業するAIです
- AIが毎回忘れる問題は、変わらないルール(CLAUDE.md)、今の状態(司令塔)、注意点(メモリ)の3つのファイルで解決しました
- 私が任せているのは、朝の段取り、下書きと公開前チェック、SNS原稿、議事録、月次分析、経理の下ごしらえ、作業記録の7つです。仕事以外では子どものテストにも使いました
- 「決める」役だけは手放さず、削除や送付は必ず自分で行っています
- 最初は自分の紹介文1枚と、5行のCLAUDE.mdから始められます
ホームページの運用も、ブログの更新も、続けるための仕組みがあるかどうかで結果が変わります。ホームページの仕組みそのものから知りたい方は、【個人事業主が最初に知るべき】ホームページのしくみをわかりやすく解説もあわせてお読みください。
「自分の仕事だと、どこからAIに任せられるのか」を相談したい方は、お問い合わせフォームか公式LINEからお気軽にご連絡ください。千葉市を拠点にホームページ制作をしているskymotherが、ホームページの運用とあわせてお手伝いします。


